「参加型で学ぶ!3時間でマーケティングに理解を深める研修」レポート
ある企業様向けに、「マーケティングプランナー養成講座」をさせて頂きました。
要望は下記の2点
- タイトルは「マーケティングプランナー養成講座」
- 演習を盛り込むこと
ご依頼は1年以上も前でしたが、資料が完成したのは1週間前。
いつもこんな感じです。
「マーケティングプランナー」という言葉の意味からはじまり、様々な部署から参加ということなので、初心者向けの身近な話題に置き換えて理解しやすい講義を想定しました。
また、マーケティングに関わる方が必ず使っている「フレームワーク」なので、研修が終わったあとに本日の講義を思い出していつでも再現できるように工夫しました。
Contents
1. 講義とワークの融合:効果的な学習アプローチ
この研修では「簡単体験学習」を取り入れ、参加者の理解度と記憶の定着率向上を目指しました。
複数回の演習を通じてフレームワークや概念への理解を深め、知識やスキルを実践的に活用できるようになります。
マーケティングに活用するフレームワークとして、SWOT分析、PEST分析、3C分析、STP分析、4P・4C分析などを組み合わせ、市場を理解し効果的な戦略を立案する方法を学ぶことを目標としました。
2. マーケティングの基本概念
マーケティングとは、商品・サービスをお客さまに届ける仕組みです。
マーケティングプランナーは、生産者や顧客のニーズを理解し、商品やサービスをより多くの人に届けるための計画を立てる重要な役割を担います。
この企業様の環境に合わせて、参加された受講者のみなさんが本日の講義をどのようなシーンで活用できるのか説明し、イメージを持ってもらいました。
3. マーケティングプラン設計のフレームワーク
マーケティングプランを設計する際には、以下のフレームワークを活用しました。
「フレームワーク」とは「ひな形」のようなもので、この枠にテーマから導き出した考えを箇条書きで入れ込むことで、マーケティングプランの分析資料が完成するのです。
SWOT分析
内部環境(強み、弱み)と外部環境(機会、脅威)を分析し、戦略を立てるフレームワークです。
実は、このSWOT分析は素人には非常に難しいフレームワークなのです。
逆に企業の戦略担当者の方々は多くの方が使われています。
- 内部環境:コントロール可能な強みと弱みを分析
- 外部環境:コントロール不可能な機会と脅威を分析
今回は身近なテーマを決めて頂き、SWOT分析に慣れてもらうこととしました。
最初はあまり説明をしないまま、SWOT分析の難しさを味わってもらいました。
どんな所が難しかったのか、他の人はどう思ったのか、どのように考えたらわかりやすいのか、などグループで協議してもらい、皆さんから思考事例を聞くことでSWOT分析の難しさを克服するようにアドバイスしました。
PEST分析
PEST分析も難しいフレームワークですが、今回はSWOT分析の「外部環境」を分析する際の「ひな形」として使用しました。
SWOT分析では、外部環境を書き出しますが、この「外部環境」にどんなことを書けば良いのかわからない方が多いです。
そこで、外部環境を分析する際に「PEST分析」の項目を当てはめて分析することをお勧めしました。
外部環境を多面的に分析する「ひな形」としての活用です。
通常は外部環境分析のツールとして
- Politics(政治的要因)
- Economy(経済的要因)
- Society(社会的要因)
- Technology(技術的要因)
の4つの視点から分析します。
3C分析
3C分析というフレームワークは、必ず「競合」が存在するということを意識して頂きたくて講義に加えました。
競合が存在しなければ「ブルーオーシャン(競争はほとんどない)」ですが、いまや競合が多数存在している「レッドオーシャン(競争が激しい)」です。
顧客から見て、当社を選ぶ理由がわかるように、3C分析の視点をご活用ください。
顧客、競合、自社の視点から分析するツールです。
- 常にこの3者の視点で考えることが重要
- 顧客の視点に立ち、顧客満足と顧客価値を考える
- 競合の視点から、優位性を持つ方法を検討する
5フォース分析
業界構造を分析するフレームワークで、業界構造の脅威を意識してもらうために入れさせて頂きました。
- 買い手の交渉力
- 売り手の交渉力
- 業界内の競争
- 新規参入者の脅威
- 代替品の脅威
の5つの要因から分析します。
STP分析
創業塾などにご参加頂いている方の中に「ターゲットを絞り込む必要があるのか」という質問を受けることが多いです。
答えは「ターゲットを絞り込む」のは必須です。
「万人向け」の商品など有り得ないです。
ターゲットを絞り、狙いを定めて様々なマーケティング活動でターゲットに向けてアプローチしていくことが必要です。
このフレームワークは、ターゲットを意識して頂きたくて講座に盛り込みました。
STP分析は、市場におけるニーズを把握し、狙うべき市場やアプローチの方法、競合他社との差別化要素を分析するフレームワークです。
- Segmentation(セグメンテーション):広い市場を類似のニーズや特性を持つセグメントに分ける
- Targeting(ターゲティング):どのグループに商品を届けたいか決める
- Positioning(ポジショニング):その商品が他とどう違うか伝える
4Pと4C分析
商品やサービスを提供する際に、必ず考えなくてはならない重要項目がこの4Pです。
どれかひとつでも欠けると、商売が成り立たないほど基本項目です。
新たなサービスを思いついた時、商売にならないかアイデアが浮かんだ時に、このフレームワークに当てはめて考えることをご説明しました。
4P分析
商売に必要な4項目を分析します。
- Product(製品):提供する製品・サービス
- Price(価格):価格設定
- Place(流通):販売方法
- Promotion(販促):顧客への告知方法
4C分析
4P分析に対して、こちらは顧客の目線で商売に必要な4項目を分析します。
この講義の中では、4Pを決めたあと、4Cで顧客目線に変え「4Pを検証する」という意味で、この4C分析の活用を提案させて頂きました。
- Customer Value(顧客価値):顧客にとっての価値
- Cost(顧客コスト):支払った金額に対しての効果(価値)
- Convenience(利便性):商品やサービスを購入しやすいか
- Communication(コミュニケーション):顧客とのコミュニケーション
この4C分析を使って、顧客目線になって4P分析を検証します。
4. 顧客心理の変化過程
顧客心理の変化過程を説明したフレームワークです。
心理変化を読んで、「行動」に移してもらう施策を考えてみると解説しました。
AIDMA
ネットが普及する前の顧客の購買行動を説明するモデルです。
- Attention(注意)、Interest(興味、関心)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)
AISAS
ネットが普及した後の顧客行動モデルです。
- Attention(注意)、Interest(興味、関心)、Search(検索)、Action(行動)、Share(共有)
まとめ
この研修を通じて、参加者はマーケティングの基本概念から実践的なフレームワークの活用方法まで、幅広い知識とスキルを身につけることができます。
複数の演習を通じて理解を深め、実際のビジネスシーンでこれらのツールを効果的に活用する能力を養うことが期待されます。
この講義をご希望の企業担当者の方は、お問い合わせください。