ものづくり補助金(第19次締切)、第18次締切と変更点)

先日「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の第19次締切が公募開始されました。

不覚にも公募開始されたことを知らないまま土日を挟んでしまいましたが、やっと公募要領を見る事ができました。

そこで、今回は「第18次締切」と「第19次締切」の変更点について、まとめてみましたのでご紹介いたします。

第19次締切の補助対象事業枠

ものづくり補助金(正式名称:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、中小企業・小規模事業者の生産性向上や賃上げを支援する制度です。

2025年2月14日に公募が開始された第19次公募では、以下3つの主要枠が設定されています。

  1. 製品・サービス高付加価値化枠
    • 革新的な新製品・サービス開発を支援
    • 補助上限額:従業員数に応じて100万円~2,500万円
    • 補助率:中小企業1/2、小規模事業者2/3
  2. グローバル枠
    • 海外市場開拓やインバウンド需要獲得等への生産性向上を支援
    • 補助上限額:3,000万円
    • 補助率:中小企業1/2、小規模事業者2/3
  3. 特例措置
    • 大幅賃上げ特例:補助上限額を従業員規模に応じて最大1,000万円引き上げ
    • 最低賃金引上げ特例:補助率を2/3に引き上げ(中小企業対象)

 

第19次公募では、海外需要開拓がより明確に打ち出されています。

海外展開を視野に入れた事業計画を策定することで、採択の可能性を高めることができます。

主な変更点(第18次→第19次)

1. 申請枠の統廃合

  • 省力化(オーダーメイド)枠の廃止:省力化投資は「中小企業省力化投資補助金」へ移管
  • 新型コロナ回復加速化特例の廃止:賃上げ要件は特例措置に統合

2. 基本要件の厳格化

  • 給与支給総額の要件:年平均成長率が1.5%→2.0%に引き上げ
  • 1人あたり給与支給総額要件の追加:地域別最低賃金の直近5年平均成長率以上が必須
  • 従業員21名以上への義務拡大:次世代育成支援法に基づく一般事業主行動計画の公表が必須

賃上げ目標の未達成時の補助金返還義務がより明確化され、グローバル枠の要件も詳細化されています。

3. 申請方法のデジタル化

  • 補足資料の提出制限:図表や画像はA4サイズ10ページ以内→3ページ以内のPDFに集約

記載内容を厳選する必要が出てきました。

4. 審査基準の再編

  • 重点評価項目:「経営力」「事業性」「実現可能性」の3軸を重視
  • 従来の指針類廃止:「ものづくり高度化指針」や「サービス生産性ガイドライン」が審査基準から除外

 

審査に関する変更点

  • 第18次公募:事業計画の適格性、技術面、事業化面などが審査されました。
  • 第19次公募:同様の項目が審査されますが、政策面賃上げの妥当性など、より詳細な評価基準が設けられています。
           政策面への貢献や賃上げに対する姿勢がより重視される傾向にあります。

補助対象経費の詳細

経費区分内容上限額(税抜)
機械装置・システム構築費単価50万円以上の設備投資(中古品は3者見積必須)必須
技術導入費知的財産権の取得費用総経費の1/3
専門家経費コンサルタント謝金(大学教授:5万円/日、技術士:4万円/日)総経費の1/2
広告宣伝費(グローバル枠のうち海外市場開拓(輸出)のみ)海外向けプロモーション費用総経費の1/2
除外経費事務用品、車両購入費、飲食接待費など全額対象外

 

補助対象経費に関する変更点

  • 第18次公募:機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費などが対象でした。
  • 第19次公募:同様の経費が対象ですが、中古品の取り扱い海外子会社への外注など、より詳細な規定が設けられています。
           経費の範囲や条件がより厳格化されている可能性があります。

 

外注先との契約書や知的財産権の取得に関する契約書など、必要な書類をすべて揃える必要があります。

申請スケジュール

  • 公募期間:2025年2月14日~4月25日
  • 電子申請受付:4月11日17:00~
  • 採択発表:7月下旬予定
  • 交付申請期限:採択後2か月以内(遅延の場合、採択取り消し)

戦略的申請のポイント

非常に簡単ではありますが、公募要領を見比べた結果、下記のポイントをピックアップしました。

  1. デジタル化への対応
    オンライン入力システムの操作マニュアルを事前に確認し、補足資料は図表を厳選。
  2. 賃上げ計画の最適化
    最低賃金+50円以上の賃上げで特例適用し、補助率2/3を獲得。
  3. 審査基準の把握
    「経営力」を示すため、中期経営計画と連動した事業設計を強調。
  4. リスク管理
    省力化枠廃止を受け、類似制度(省力化投資補助金)との併用を検討。

この記事について

公募要領は50ページ弱もあり、この公募要領でも内容が完全に網羅されているわけではありません。

したがって、資料から読み取れる範囲で、重要な変更点に焦点を当てて解説しました。

記事の内容については、公開されている公募要領を見比べて十分確認を行った上で記載しておりますが、解釈の誤りや記載不十分などがあるかもしれませんので、ご自身でご確認をお願いいたします。

当方では責任は負いかねます。

 

詳細に関しては、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金事務局」へご確認ください。

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