令和6年度補正予算案の概要
先日発表された「令和6年度補正予算」の資料を確認しましたが、多岐にわたるため要約しました。
令和6年度補正予算案は、中小企業・小規模事業者の**「稼ぐ力」**強化を目標に、賃上げ原資確保と持続的な賃上げを支援することを目指しています。
主な施策は以下の3点に分けられます。
1. 生産性向上支援の拡充
●ものづくり補助金、IT導入補助金、持続化補助金、事業承継・M&A補助金などを拡充し、中小企業・小規模事業者の設備投資、販路開拓、IT導入、事業承継などを支援します。
●具体的には、最低賃金に近い事業者への補助率引き上げ(1/2→2/3)、補助上限・枠・要件の見直しなどを行い、より使いやすい制度を目指します。
○ものづくり補助金では、製品・サービスの高付加価値化枠において従業員区分を見直し、賃上げ要件・運用も見直します。
○IT導入補助金では、セキュリティ枠の補助上限引き上げ・要件見直し、汎用ツール・導入後支援を補助対象化します。
○持続化補助金では、経営計画策定に重点化し、枠の整理など制度を簡素化します。
○事業承継・M&A補助金では、PMI推進枠の創設、事業承継促進枠への改変、M&Aトラブル防止のためのDD費用支援拡充、100億企業創出加速化のための補助上限引き上げなどを行います。
2. 新事業への進出支援
●中小企業・小規模事業者の成長につながる新事業進出・事業転換を重点的に支援するため、新事業進出補助金を創設します。
●企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦や賃金要件などを満たす事業が対象となります。
●補助対象経費は、建物費、機械装置費、システム構築費、技術導入費、専門家経費などです。
3. 成長支援の新設・強化
●売上高100億円を目指す中小企業等を支援するため、中小企業成長加速化補助金を創設します。
●設備投資や、M&A・海外展開・人材育成等の経営課題に対する支援を行います。
●売上100億円を目指すビジョン・潜在力、賃金要件などを満たす事業が対象となります。
●補助対象経費は、建物費、機械装置費、ソフトウェア費、外注費、専門家経費などです。
●地域の雇用を支える中堅・中小企業の工場等拠点の新設等を支援するため、中堅・中小成長投資補助金を拡充します。
●また、大企業から経営人材を受け入れる中堅・中小企業に対する給付金を拡充し、経営体制整備を促進します。
●中小機構出資ファンドを通じ、売上高100億円超を目指す中小企業等へリスクマネー供給を行う100億企業育成ファンド出資事業を実施します。
4.その他
上記以外にも、以下の支援策が盛り込まれています。
●事業環境変化対応型支援事業: 商工会・商工会議所等への専門家派遣、よろず支援拠点へのコーディネーター増員、インボイス相談窓口設置などによる相談体制強化
●中小企業活性化・事業承継総合支援事業: 事業再生等計画策定支援、事業承継・事業引継ぎ支援のための体制拡充
●令和6年能登半島地震等の切れ目ない復旧支援: なりわい補助金、グループ補助金などを措置
●地方公共団体による小規模事業者支援推進事業の拡充
●価格転嫁対策: 中小企業・小規模事業者の取引適正化推進
●資金繰り支援: 日本政策金融公庫、信用保証協会による資金繰り支援
●経営改善・事業再生・再チャレンジ支援の拡充
●省力化投資支援の再編
これらの施策により、中小企業・小規模事業者の経営基盤強化と持続的な成長を支援し、日本経済の活性化を目指します。