売上が上がらない? 収益構造転換で事業を立て直そう!
多くの事業者様の経営相談に対応してきた中で、共通する問題に気づきました。
経営者ご本人は気づいていないかもしれませんが、外部から見ると様々な課題が浮き彫りになります。
今回は、そんな事業者様に向けて、不安を脱却するための具体的な提案を行います。
Contents
1、現状に不安を感じていませんか?
- 売上低迷
- 経費高騰
- 生活できるほどの収益が残らない…
- 独立する!と言い放ったが、うまくいかない…
これらの問題は、多くの創業したてや小規模事業者様に共通するものです。
創業時は勢いで進めたとしても、1年、2年と経過しても状況が改善しないことは珍しくありません。
売上が増えて、お客さんが増えたとしても、手元に現金が残らない状況に不安を抱えている方は多いのではないでしょうか?
生活費もぎりぎり、ローンの返済も始まるし、と不安を抱えていませんか?
このような状況が続くと、事業継続への不安が募りますよね。
しかし、諦める必要はありません。
このような状況から抜け出すための鍵は「収益構造の転換」です。
2、収益構造の転換とは
最初に「収益構造の転換」と聞いて、パッとどうしたら良いかわかる方は多くはありません。
具体的に何をすればよいかわからない方も多いでしょう。
「収益構造」とは、ビジネスの収入とコスト構造の全体像を把握するための枠組みです。
売上に対してコストや利益はどの程度なのか。
この計算式を理解することが重要です。
たとえば、売上100万円から、コスト80万円を引くと、20万円の利益が残ります。
しかし、コストが90万円だとしたら、利益は10万円しか残りません。
利益を生む「仕組み」のことを「収益構造」とぼんやり考え頂いてください。
売上100万円を倍にして200万円も売り上げても、同じ利益率だとしたら利益は20万円しか残りません。
そんな状態が続くと、いつまでも手元に現金が残らないという事態になります。
この「収益構造」、いわゆる利益を生む構造(仕組み)が、そもそも利益を生みにくい構造(仕組み)になっているということです。
どんなに頑張って売上を上げても、頑張りほどの利益が残らないという構造(仕組み)に、気づいていないのです。
そして、この構造(仕組み)を変えない限り、利益率は変わらないまま、どんなに頑張っても手元に「利益」は少ししか残らないでしょう。
この仕組みを、大きく「転換」することこそ、不安を解消する一手となります!
3、なぜ収益構造転換が必要なのか?
創業されたばかりの方であれば、売上に対してどの程度の利益が残るのか把握されていないことが多いです。
何年も経営をしていると、感覚でどの程度の利益が残るのかわかるようになってきます。
この違いは大きいです。
何年も経営されている方からすると、現状の比較対象という「経験」が備わっているので、「このままで大丈夫」「これが続くと危ない」など、気づくことができます。
それでも、新型コロナの影響があったり、世の中の情勢が刻々と変わっていき、従来のビジネスモデルが通用しなくなっている今、「同じことを続けていては、結果は変わらない」という現実があります。
多くの事業者は、慣れ親しんだ方法にしがみつき、変化を恐れています。
このままでなんとか挽回できるはず!と思ってしまうのです。
しかし、このように収益構造が十分でないケースは、根本的に考えを改めない限りは挽回できません。
変化を恐れず、収益構造を転換する。
何かが変わってきた?と感じたら、この変化こそがチャンスなのです。
収益構造を転換することで、新たな収益源の創出やコスト削減が可能となり、事業を活性化させることができます。
前述の通り「収益構造」は「売上」と「コスト」で構成されています。
新たな「売上」の商材を加える。 ←単価を上げる、セット販売にする、オプションをつくる。など。
今までの価格体系を大きく見直しましょう。
原価計算をして「コスト」を明確化する。←現状を知る。
徹底的に「コスト」を抑える。 ←これはとても有効です!
そして、売上とコストと利益のバランスを保てる構造を構築します。
このバランスが取れた、収益源を複数持つようにしていくのです。
4、収益構造転換の進め方
収益構造転換の進め方
1)現状を分析する
まず、自社の強みや弱み、市場環境などを分析し、現状の課題を明確にします。
現状分析の結果、どのような方向に進むべきか、検討しましょう。
これは事業によって様々ですが、一般的に低単価であれば、数をたくさん売る必要があります。
逆に高単価であれば、数はそんなに必要なくても質を上げていく必要があります。
どのような戦略があなたにとって良いでしょうか。
2)収益源を多様化する
従来の主力商品・サービスだけでなく、新たな収益源を模索します。
サブスクリプション型サービス、コンサルティング、オンライン販売など、様々な選択肢を検討しましょう。
飲食店などであれば、セットメニューで客単価を上げる、簡単に追加注文ができる仕組みで客単価を上げる、などです。
3)コスト削減を行う
固定費や変動費を見直し、無駄なコストを徹底的に削減します。
業務効率化やITツールの導入なども有効です。
時間もコストと考えましょう。
飲食店などであれば、仕込み9割など具体的に目標を設定し、店舗内で料理提供のコストを削減します。
4)専門家の支援を受ける
収益構造転換は、専門知識や経験が必要となります。
商工会議所や商工会の経営指導員の方に相談されたり、コンサルタントなど専門家の支援を受けることをおすすめします。
5、まとめ
収益構造転換は、決して簡単な道のりではありません。
しかし、現状に甘んじていれば、事業は衰退していくだけです。
勇気を出して一歩踏み出し、収益構造を転換することで、必ず明るい未来が見えてくるでしょう。
今こそ、行動を起こす時です!
6、参考情報
少し難しい書き方をされていますが、参考情報として下記をご紹介いたします。
- 経済産業省「中小企業の収益構造転換支援ガイド」 https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2021/chusho/b2_1_1.html