研修で新たな視点を頂きました!(中小企業施策、事業承継・M&A)
中小企業診断士には、更新のために必要な理論研修の受講が求められています。
資格の更新要件などは今回は説明を割愛しますが、新たな「専門知識補充要件」として今回は「理論研修」を受講しました。
これまでは、会場受講が一般的でしたが、コロナ禍をきっかけにしたのか、オンラインで実施している全国の様々な研修を選んで受講できるようになりました。
今回は関東の団体が実施する理論研修を受講しました。
研修の中で、改めて気づきがありましたので、ご紹介いたします。
中小企業施策について
受講したテーマは2つあり、1つ目は「中小企業施策」についての解説がありました。
実は「中小企業施策」については、毎年、年明けの国会で予算化が決まり4月ごろから実施されるものが多くあります。
対象企業や対象要件があり、どんな企業でも使える施策という訳にはいきませんが、今後の市場展開を見据えて活用できる支援制度があれば、活用しない手はありません。
では、どこに行けばこれらの施策を知る事ができるできるのでしょうか。
中小企業庁のHPに「中小企業施策ガイドブック」というPDFデータが公開されています。
以前は商工会議所や商工会などの公的支援機関に行けば、冊子版が入手できたのですが、今年より冊子版は廃止になり、PDFしか入手できなくなったようです。
このガイドブックを参考にしていただき、自社に使える施策を探して、「これは使えるか?」を商工会議所や商工会などの支援機関や、顧問をしていただいている中小企業診断士に聞いていただくのが、良いかと思います。
ちなみに、中小企業診断士の1次試験では、「中小企業経営・政策」という科目があり、この「中小企業施策ガイドブック」の中からも試験問題が作られていますので、中小企業診断士の先生方はよくご存じだと思います。
話が横道にそれてしまいましたが、本日の研修では、中小企業の課題について「中小企業白書」や、「小規模事業白書」の統計を事例にお話がありました。
その中で気になったのは「人手不足」です。
私が経営する「調剤薬局」では現在薬剤師さんを募集していますが、なかなか応募がなく他の従業員の方へ負担が大きくなってきているので、人材不足には同じように思うところがあります。
では、人手不足の企業がどのような対策を行っているか「中小企業白書」によると、「正社員の雇用」が8割強と最も多く、「パートなど有期雇用社員の採用」が約5割と、まずは人材を増やすという方法を取られています。
その他の対策としては、業務プロセスの見直しによる「業務効率化」、社員の能力開発やIT化などの設備投資による「生産性向上」が次に続く対策のようです。
人材が足りないならと、次に繋がる何らかの効率化を考えていらっしゃるのでしょう。
経営者の視点で考えると「答え」を頂けたわけではありませんが、他の経営者の方々もできる対策をコツコツと行っておられるということが数値から読み取れて、少し背中を押されました。
「中小企業白書」や、「小規模事業白書」には、過去の事業者の統計が紹介されていますので、ご参考にされてください。
ただ、資料は大量にありますので、目次等を活用されて必要と思われる箇所を見つけてみてください。
事業承継について
その他では「事業承継」についてお話がありました。
こちらは、私自身が「事業承継」を経験して、様々な体験をしているので(現在進行系)、自分のことのように聞くことができました。
国も企業数がかなりの速度で減少していることに対策を講じていて「事業承継ガイドライン」では親族内承継や、従業員承継に対応したものを発行したり、第三者承継に対応する「中小M&Aガイドライン」を発行されていますので、ご参考にされてください。
親族内や従業員に承継してくれる後継者がいないケースは、第三者への承継となり、これに対応してくれるのは金融機関や様々な民間の支援機関になります。
私の所属する「福岡事業承継・M&Aセンター」も支援機関として活動していますので、お困りのことがあれば一度ご相談ください。
そもそも、誰かの力を借りなければいけないのか?
どのようなシーンで各専門家を活用するのか?
素人にはわかりにくいですし、どこの会社(支援機関等)にお願いしたらよいのか、誰に(専門家)に相談したら良いのかというのは最もわかりにくいです。
まずは、公的機関(商工会議所、商工会など)や、金融機関、事業承継やM&Aを専門に対応している中小企業診断士にお声がけ頂くのが良いと思います。
通常とは異なる視点で、学ぶ機会があるというのは気づきもたくさんあり、ありがたいです。
今日も大変勉強になりました。
ありがとうございました!